Contents navigation
持続可能な社会のヒントを、足元から考えよう—。2018年2月14日、滋賀県守山中学・高等学校でSDGsの視点から学ぶESDの授業が開催されました。
【実は身近だった — 国際目標SDGs】
参加したのは中学3年生と高校1年生の21人の生徒と先生たち。守山高校は文科省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定され、グローバルに活躍できる人材育成に取り組んでいます。今回の授業はSGHの課題研究を支えるものとして企画されました。
冒頭で、SDGsについての国連の動画を視聴。授業開催日がバレンタインデーであったことから、環境や社会に配慮したエシカルなチョコレートのことについて触れるなどして、身近なものがSDGsとどのように関係していかについて話し合います。
【地域の活動がSDGs達成につながっている】
続いて、琵琶湖の水源の森を守る一般社団法人kikitoの活動を紹介するローカル教材を視聴。森に携わる人たちが共に学び合う場をつくったことから生まれたkikitoは、間伐材の買取制度をつくり、商品を開発することで、持続可能な地域づくりに取り組んでいます。
地域から、SDGsが制定されるずっと前から続いているこの活動は、森林や陸の生物多様性(目標15)、働きがいのある仕事(目標8)、持続可能な消費と生産(目標12)、パートナーシップ(目標17)など、SDGsのさまざまな目標の達成にもつながっているのです。
【SDGsの達成のためにできることをクリエイティブに考える】
このような事例から、SDGsの目標それぞれが関連し合っていること(不可分性)、途上国だけではなく先進国にも関係する目標であること、そしてSDGsが自分たちの暮らしに深く関係していることについて学んだ生徒たち。最後に、自分がどのような問題に関心があるのか、ということをそれぞれの視点から考えて行きます。
例えば、目標6(水)を起点に、世界の衛生問題(目標3)について考える生徒もいれば、水源の森を守る(目標15)とのつながりを考える生徒もいる。まさに一人ひとりの固有な視点、個性への気づきにもつながります。各自でシートに記入したあとは、グループで共有することで多様な捉え方から学びあいました。
【キャリア教育としても注目】
授業を受けて、吉澤校長先生は「若い子たちがいろいろな問題に興味を持ってくれていて素晴らしいと思います。SDGsで地球規模の課題に関わる仕事がきっとあると思うので、そういうことも考えの中に入れて、長い将来設計をするきっかけになれば」と語りました。SDGsを学ぶことは、自分たちの暮らしを見つめなおすばかりではなく、自分たちがどのような将来を選びたいのかを考える力を育む、キャリア教育にもつながっています。
SDGsは、 ESDを達成するために設定された、グローバル・アクション・プログラム(GAP:ギャップ)とも深く関連します。そして、新しい学習指導要領においても、重要テーマとして位置づけられます。滋賀県の協力のもと開催された今回の授業は、公教育の現場でのSDGsの学びが広がるきっかけとなりそうです。
(校長先生も生徒たちとの対話に参加)
- 本事業は、三井住友信託銀行のCSR事業として実施されました。