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ケア・インターナショナル ジャパンは、世界90カ国以上で人道支援活動を行う国際NGO「CARE」の日本事務局です。特に、アジアやアフリカなどで女子教育、女性の経済的エンパワメント、母子保健の分野に注力した支援活動を展開しています。戦争被災者らに食料と衣類などが入った「CAREパッケージ(ケア物資)」を贈る活動でも知られ、第二次世界大戦後の日本も恩恵を受けた団体です。
貧困撲滅とジェンダー平等にフォーカス
ケア・インターナショナル ジャパンは、2015年のSDGs誕生を機に、16年夏には団体としてのビジョンを刷新。世界で最も弱い立場にある女性と女子を対象に、他団体からの支援も届きにくい国や地域で、目標1(貧困撲滅)と目標5(ジェンダー平等)の達成につながる事業を展開するようになりました。
例えば、東ティモールでは2016年から農村地域での生計向上を支援する事業を行っています。気候変動の影響でコーヒー豆の生産量が安定していない地域で、代わりにチンゲンサイやしょうがなど、未舗装道路での輸送にも耐えられる産品を生産できるよう技術支援しています。これらを使った加工品づくりも模索しているそうです。
また、ガーナでは母子保健(栄養改善)と自立支援につながる事業を行っています。味の素との協働で同社の栄養補助食品「ココプラス」を一袋10円(日本円相当)で販売するとともに、ココプラスを売り歩くセールスレディの育成にも取り組んでいます。2017年からは、日産自動車からの支援を得て、タイの農村部での女性のリーダーシップ養成の場づくりも始めました。マーケティング部の甲斐博子さんは「いずれの事業も、地域の人たちの自立を促すために、彼女たちの経済的基盤づくりを支援することを意識しています」と説明してくれました。
ココプラスを売る女性(ガーナ)©CARE
最も弱い立場の人たちに思いを馳せる
日本で日々暮らしているだけでは、ケア・インターナショナル ジャパンが支援する地域で暮らす女性や女子が置かれた境遇は、なかなかイメージしにくいかもしれません。そこでCAREでは、イベントやキャンペーンを通じて支援地域を身近に感じられる機会を提供しています。
例えば、途上国の女性や女子が毎日水汲みなどのために歩く8000歩を体感してもらうチャリティウォーク「歩く国際協力 Walk in Her Shoes」は、イベント参加だけでなく個人でもチャレンジできる仕組みで、毎年約200名程度の参加があるそうです。
また、「つながる国際協力CAREスマイルギフトキャンペーン」では、寄付や東ティモールのコーヒーや民芸品の購入などを通じて、東ティモールの子どもたちと教職員に対して、現地語テトゥン語による学習雑誌と指導教則本「ラファエック」を送っています。支援地である東ティモールの独立10周年を記念してスタートしたこのキャンペーンでは、これまでの4年間に7万冊を寄贈できました。
東ティモールに寄贈している学習雑誌「ラファエック」。カラフルで図や写真をふんだんに取り入れたデザインは、子どもたちに好評だ。
ケア・インターナショナルジャパンではこのほかにも、自主的に企画した講演会やヨガや料理教室、映画上映会などの場でCAREの活動資金を集められる「ファンドレイジング・ボランティア」を毎年10人程度募集しています。CAREの活動を支援したい、興味を持ったという方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。