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若者のチカラで森と農業を守る ~認定NPO法人JUON NETWORK(樹恩ネットワーク)~

認定NPO法人JUON NETWORK(樹恩ネットワーク、本部:東京都杉並区)は、大学生協の呼びかけで、学生などが都市と農山村を行き来しながら、森と農業を守る活動を展開するために設立された団体です。設立のきっかけは、1995年の阪神淡路大震災。震災で被災した兵庫県内の大学の学生寮の再建に向けて、大学生協が徳島県の森林組合から間伐材の提供を受け、木造の仮設学生寮を58棟建設しました。それを機に、大学生協と森林組合との交流が始まり、今日の活動に至っています。

 

 

割り箸、学びの場で森と若者をつなぐ

JUON NETWORKの代表的な活動の一つが、間伐材割り箸「樹恩割り箸」の普及推進です。大学生に間伐材を使ってもらうための仕掛けとして、学生食堂やお弁当などを販売している購買部で使ってもらうために「樹恩割り箸」の制作を1998年に始めました。

 

全国6カ所の障害者施設に制作を委託し、2016年度は全国81の大学生協229店舗などへ1400万膳を納入。地産地消を標榜する飲食店のネットワーク「緑提灯」の15店舗で使ってもらっているほか、IBMの企業食堂や県庁食堂(徳島県、群馬県)、地方の中小スーパーにも広がっています。間伐材の割り箸は割高というイメージを持つ方も少なくないと思われますが、最近では中国産が値上がりしているので、価格競争力が出てきたそうです。

 

また、森と都市住民をつなぐ学びと交流の場として「森林の楽校」と「森林ボランティア青年リーダー養成講座」も団体の設立当初から行っています。森林学習と森づくり、地域との交流を体験できる森林の楽校は、2017年には全国16カ所で開催予定です。森林の楽校は最近、学生の参加割合が上がってきています。東日本大震災の頃に小中学生だった子どもたちが、高校生や大学生になってボランティアに関心を持って活動に参加して環境問題に関心を持つきっかけになったというケースもあるのだそうです。

 

 

JUON NETWORK

東京都奥多摩町の鳩ノ巣で行われている「森林の楽校」

 

 

一方で、ボランティアを担っていた世代の高齢化などの影響もあり、日本の森林ボランティア団体数も2015年度に減少に転じました。また、農山村地域の過疎化もますます進んでいることから、JUON NETWORKでは「(ボランティアによる)交流」から「定住促進」につながる活動も始めています。山梨県内の果樹農家や和歌山県那智勝浦色川地区の稲作農家への援農体験「田畑の楽校」もその一つです。約10年前にスタートして以来、参加を機に定住する人たちも出てきているそうです。森林の楽校も含めた2017年度の開催情報は、JUON NETWORKのホームページ(http://juon.univcoop.or.jp/)に掲載されています。

 

 

SDGsをチャンスに

JUON NETWORKは全国60の大学生協、大学生協連合会なども会員となっており、2018年で設立20周年を迎えます。最新号の会報誌では、SDGsを特集。事務局長の鹿住貴之さんは、会報誌の中で「SDGsというあらゆる人や組織が関わる国際的な流れは、日本国内で都市と農山漁村を結ぶJUON NETWORKにとっても大きなチャンス」と言及しています。団体としても今後、SDGsの達成に取り組むムーブメントに積極的に参画していくそうですので、注目です。