すべての女性が尊厳を持って生きる権利を守る ~公益財団法人ジョイセフ

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AUTHOR : © NGOジョイセフ

SDGsとは

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公益財団法人ジョイセフは、戦後日本の保健衛生分野での成功の経験を、途上国での妊産婦死亡率の低減や適切な家族計画の実施に活かすことを目指して1968年に設立された、日本の保健衛生分野のパイオニア的存在のNGOです。妊娠、出産、母子保健という、女性の尊厳と密接に関わるテーマを掲げて、アジアやアフリカでの保健分野での人材育成、物資支援、などを通じて生活環境向上につながる支援を行っています。

健康な暮らしはジェンダー平等なしには実現できない

ジョイセフのアドボカシ―グループ・グループ長の福田友子さんは、ジョイセフによる支援のアプローチをこう説明します。

「いつ出産するか、何人出産するかを自らの意思で決められない女性は、途上国だけではなく、先進国にも多い。こうした現状は、女性自身とその子ども、ひいては家族全体が健康に暮らせるかどうかをも左右します。健康に暮らせなければ、経済的な自立にもつながりません」

「このため、ジョイセフでは性と生殖に関する健康と権利(Sexual Reproductive Health and Rights、以下SRHR)の確立を目指して、途上国でSDGsの目標3(健康福祉)の実現に向けた母子保健サービスを提供するとともに、目標5(ジェンダー平等)につながる啓発活動も並行して行っています」

ジョイセフでは現在、ミャンマーやベトナム、ザンビア、ガーナなどアジア・アフリカ諸国の女性たちが安全に出産できるよう、定期検診の実施や医療環境の整備を行っています。その際、女性たちが自らのSRHRに関して決断できるようバックアップするとともに、地域コミュニティが女性たちの決断を尊重できるよう意識改革につながる啓発活動も行います。女性、家族、地域コミュニティを一体的に支援することを基本にしているのです。

日本の女性はSRHRを持っているか?

ジョイセフはこれまで、日本から途上国に対してSRHRの確立につながる支援を行ってきましたが、2016年秋からは日本の女性たちにもSRHRを知って行動してもらうための啓発キャンペーン「I LADY.」を始めました。

市民社会連携グループ・グループ長の小野美智代さんは「男女格差世界ランキング(いわゆるジェンダーギャップ指数)が100位以下に低迷する足元の日本に目を向ければ、無防備なセックスによる望まない妊娠、今なお年18万件に迫る人工妊娠中絶の数、性教育がタブー視される風潮など、日本の女性たちのSRHRが保障されていない現実があります。こうした現状に少しでも気づいてもらい、変えていけるきっかけにしたいと思います」と意気込みを話してくれました。


参照:I LADY.

今秋には、日本の10~20代の女性たちを中心にSRHRについて知る機会を提供する講義・ワークショップ「I LADY. クラス」が開講する予定です。日本でもSRHRに関わる話題がメディアで取り上げられる機会が増える中、ジョイセフ発のこうしたアクションが日本を世界水準のジェンダー平等国に引き上げていくことができるか、注目です。