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「誰も取り残されない」世界を実現するために ~認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)~

もし私たちが今の生活を、家を、親戚を、友人を、すべて置いて祖国を離れて、見知らぬ国でゼロから新しい生活を始めなければならなくなったら―――。これはまさに、世界各地で日々生まれている難民の人たちが強いられる状況です。認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan/東京都品川区)は1979年の発足以来、日本発の難民支援NGOとして、世界60カ国以上でこのような苦境にある難民や障がい者などへの支援を行ってきました。

 

障がい者、母子…より支援の届きにくい層にアプローチ

当初はインドシナ難民の国内への受け入れ支援とタイ・カンボジア国境の難民キャンプでの活動から始まりましたが、支援の現場はアフリカにも広がり、支援のテーマも難民支援をベースに多彩な分野に広がっていきました。難民を助ける会のモットーは「地域のために自分たちでできることなら何でもやる」。難民支援から入りながら、中でもより支援の届きにくい難民層にアプローチすることを心掛けているそうです。

 

例えば、障がいのある難民の支援。空爆や地雷などによる負傷で心身に障がいを負った障がい者に確実に支援が届くように配慮したり、リハビリ支援や、就労支援を通じた社会復帰も後押ししています。1990年代に入ってからは、障がいを負う原因を根絶することにも関わる必要性があると判断し、地雷対策活動も展開。さらに、難民支援を長年行っていたザンビアでHIV/エイズが蔓延していたことから、感染症対策にも乗り出しました。難民支援をきっかけに始まった多彩な支援活動は、現在世界15カ国で展開されています。
障がいを負った難民に対して、迅速に車いすを届ける

 

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日本でも高まる難民問題への関心

 

現在は、シリア内戦のぼっ発に伴うトルコでのシリア難民支援活動が大きなウエイトを占めています。危険を承知で海を渡り、命を落とす人々。とりわけ幼い子どもが亡くなる悲惨な状況が報道される中で、日本の難民受け入れ数が世界の中でも極端に少ない現状が徐々に一般市民に知られるようになってきました。難民を助ける会広報部の伊藤かおりさんは「日本人の犠牲者も出るなど、残念な出来事をきっかけに広がった難民問題への関心ではありましたが、報道が少なくなってきても市民の皆さんの関心は続いていて、かつ深くなっていると感じる」と捉えています。高校、大学、企業、市民団体を対象とした出前授業や講演要請も増えていて、年間100件以上の依頼が来ているそうです。

 

難民支援は、SDGsの達成にも実は大いに関わる重要なテーマです。

 

「SDGsはあらゆる分野の目標が複数からみ合って、ともに達成に向けて状況を向上させることができて初めて、全体として達成できるものだと思います。私たちもこのような考え方に立ち、SDGs全体を貫く大切な思想である『誰も取り残されない』状態を実現するために、難民や障がい者などの方々に対して教育(目標4)、ジェンダー平等(目標5)、貧困(目標1)、栄養改善(目標2)、水と衛生(目標6)といったSDGsの複数の目標に関わる多彩なアプローチで支援活動を行っています」(伊藤さん)

 

世界の中でももっとも困難な状況に置かれている人々と言ってもいい難民の方々への支援。寄付(募金、古本・はがき切手寄付)やチャリティグッズ購入をはじめ、世界各地での活動報告会への参加など、難民を助ける会には難民支援につながるアクションが数多く用意されています。

 

こちらは難民を助ける会が力を入れている、シリアでの障がい者難民支援を紹介した映像です。ぜひご覧下さい。

 

シリア難民支援(障がい者支援、2016年3月公開)