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SDGs目標16で謳われている「平和」や「公正」といったことは、私たちの目には常日ごろは見えにくいものです。しかし、「平和」で「公正」な社会が担保されなければ、世界じゅうの人たちが日々安心して生活しながらその能力をいかんなく発揮することはできず、持続可能な社会づくりなどおぼつかないことでしょう。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルでは、SDGs目標16の達成に関連して、法律による支配の実現を重視しています。目標16の中には、差別を撤廃するための法整備を求める項目もあります。アムネスティ・インターナショナル日本では現在、これまで日本社会の中で抑圧されてきたLGBTの人たちへの差別をなくす法整備を日本政府に求めるキャンペーン「Love Beyond Gender」を展開しています。
すべての人たちの人権が保障され、差別なく生きられる社会に向けて、私たちは日ごろからどのようなことを意識すればいいのか―。アムネスティ・インターナショナル日本のサイトをご覧下さい。
山口 薫 氏
(公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 キャンペーン部門ディレクター)
東京女子大学卒。ロンドン大学大学院にて人権を学び、その後カリタス・ジャパンでプログラムオフィサーとして勤務。アジア・アフリカの開発援助、緊急援助に取り組む。2014年3月にアムネスティ・インターナショナル日本に入職、主に死刑廃止運動、難民・移住労働者の権利擁護を担当。2017年6月より同部門ディレクター、現在に至る。
すべての人が、平和で安全な環境に暮らし、社会に関わる権利を得るためには、法律や公的機関が適切に機能し、個人の基本的人権が保障されることが必要です。
その際、大きな脅威となるのが、暴力や不正です。
多くの場合、暴力の犠牲になるのは、子どもや女性、マイノリティなど、社会的に弱い立場に置かれた人たちです。誰もが暴力に怯えることなく自由に暮らせる社会をつくるためには、司法制度が適切に機能し、暴力に使われるお金や武器の流れを食い止めることが求められます。
また、不正の温床が見過ごされないよう、あらゆるレベルにおいて説明責任や透明な意思決定プロセスが必要となります。すべての人々への情報アクセスが保障されること、さらには報道の自由が担保されることも重要な要素です。
持続可能な開発を平和裏に進めていくためには、国家や公的機関といった組織のガバナンスのあり方もまた、透明で包摂的なものであることが問われているのです。